キャンプにハマって鉄製フライパンや鉄板などの鉄製アイテムを買ったらまず先に行うべきとされているのが”油ならし”ですよね。
油ならしは多くの方が行っていると思いますが、”油返し”という言葉は聞いたことがあるでしょうか?
“油ならし”と”油返し” の言葉自体はなんとなく似ていますが、同じではないんです。
さらにいうと作業工程は似ていますが、タイミングや意味合いがちょっと違います。
ただ、どちらも鉄製器具を扱う上では大切な工程。
今回はその”油ならし”と”油返し”の意味や方法について解説していきますね。
“油ならし”と”油返し”の意味とは?
ここでは似てるようで微妙に違う”油ならし”と”油返し”のニュアンスについてお伝えしていきます。
油ならしとは…
鉄製の調理器具を初めて使う際に行う処理のこと。
この処理を行うことで、サビつきや焦げつきを防ぎます。
【メカニズムは?】
鉄の表面にある酸化被膜に小さな穴がたくさん空いています。
ここにまず油を流し込むことで、鉄の表面に薄い油膜ができるという仕組みです。
基本的に鉄製の調理器具を買った際は、この処理は必須項目だと思います。
処理をしなくても使用は可能ですが、サビやすかったり焦げつきやすくなってしまう上に食材もひっついたりして逆に手間は増えてしまうので、そこはきちんと処理しておきましょう。
その処理方法については後ほど。
次は油返しですが…
焦げつきやサビを防ぐために、毎回使用する前に行います。
鉄製の調理器具は使い込んでいくうちに油なじみがよくなり、色も真っ黒になっていきます。
ただ、そこまでは少し時間がかかるので油返しをしておくことで油なじみが十分じゃない時もサビつきや焦げつきを防いでくれます。
初めて使う前の処理は油ならし、初回以降に使う前の処理は油返しと覚えておくと◎です。
油ならし・油返しの方法
実は油ならしと油返しの方法はほとんど同じ。
本当にタイミングの違いで名前が変わるといっても過言ではありません。
油ならしの方法
1.調理器具を火にかける
この時の火力は中火程度で、火が調理器具からはみ出ない程度に調整してくださいね。
2.調理器具の底面に行き渡る程度の油を入れ熱する
油が入ったら、調理器具を傾けて側面にも油が行き渡るようにしてください。
3.全体が黒っぽく変色してきたら、火を止めて余分な油を捨てるorオイルポットへ
全体に油が行き渡って鉄の色が黒っぽくなる、もしくは煙が出始めたら火を止めるようにしてください。
(写真では見えにくいですが、黒い煙が出ています)
そのあと、調理器具を傾けて油が垂れそうであればその余分な油を捨てるかオイルポットに戻します。
4.ゆっくりと冷却する
余分な油を処理したら、素手で触っても問題ない程度の温度になるまで放置します。
ここで注意したいのは、水で冷やさないということ。
熱々の鉄に水をかけると変形の原因になるので要注意です。
5.熱がとれたらキッチンペーパーで、調理器具全体に油が回るように拭く
拭き取るというよりは油を塗っていく感覚の方が近いです。
6.完成
これで油ならしは完了です。
これをしておくだけで、鉄製でも焦げつきにくくなりますよ。
購入した際にハードテンパー加工といってあらかじめ油ならしが完了しているものは、油返しから行っても大丈夫です。
油返しの方法
油返しも油ならしと手順は変わりません。
油返しは調理の前に行います。
少し違うのは油を入れて熱した後です。
油ならしでは鉄が黒に変色、もしくは煙が出てきたら余分な油を処理して冷ましていきますよね。
でも、油返しでは油を処理して、その後使う分の油を入れてそのまま使っていきます。
油返しは調理前の処理なので当然っちゃ当然ですが。
油返しをしておくことで油膜を作り、調理の際の焦げつきやサビつきを減らそうということです。
さいごに:いつまで油返しはすればいいの?
鉄は油ならしや油返しをすることで油膜を張り、コゲつきや錆つきを防ぐわけですが調理前の油返しはいつまですればいいの?という方も少なくないと思います。
油返しは油膜が定着していない鉄にその都度油膜を作ることでコゲつきを予防する作業です。
なので、鉄に油膜が定着するまで…という認識でOK。
使い続けているうちにだんだんと黒くなって油膜も定着してくるので、油返しをしなくてもコゲつかなくなったら大丈夫です。
普段の手入れも使ったあとに洗剤を使わず、焦げつきを焼き切って、たわしで汚れを落とす程度で使い続けるのが鉄則です。
鉄製の調理器具は初めこそ管理が大変ですが、その分メリットもたくさんあります。
せっかく買ったその鉄板やフライパン…丁寧に扱って自分だけの愛着あるものにしてみませんか?